影響力の大きいトレンドセッターのベストテンを選ぶとしたら、そのリストはエンターテイナーで占められる確率が高そうだ。好みのタイプは人それぞれだが、誰にでも自分のスタイルにインスピレーションを与えてくれるスターは存在する。ポップースターを夢見る少女はブリトニー・スピアーズをお手本にし、クールな四〇代はミシェルーファイファーのような女性をめざす。ヒップーホップースターたちは男性陣のトレンドーセッターとして無視できない存在になったと、『GQ』のファッションディレクター、マークーバーガーは言う。「アーバンーストリートウェアは、ファッションの中でも成長著しい分野なんだ。ラップノヒップーホップがアパレル業界全体に活を入れたんだよ」。アパレル会社は、セレブとつるめばすぐに話題になることを知っている。デザイナーは、スターをショーに招いて、自分の服のファンにしようと腐心する。プランティンクの専門家も、どのスターが適任かといったことを決めるためには労を惜しまない。「世界中のクールーハンターが口を揃えるように、次に誰が、あるいは何か来るかを知るのは重要なことなんです」。ロンドンのJY&Aコンサルティングでファツションーブランディング戦略を担当するデビーホールが言う。「難しいのは、ピンポイントで時の大を特定し、その人の成功の波に便乗することですね」。たとえば、イギリスの老舗ブランド、バーバリー。長い問、古風なくおじいちゃん向け」ブランドと考えられてきたが、イメージも製品も新しい、適切なセレブを選択したことで、三桁成長を記録した。二〇〇一年、CEOのローズーマリー・ブラヴォーは『タイム』誌にこう語っている。「ケイトーモスに弊社のビキニを着せたことで、お客様の平均年齢は一気に三〇歳若返りました」。このような動きの問題点は、お金やただでもらえる商品、特典の多さに釣られたセレブが、特定のブランドーデザイナーの広告塔と化しつつあることだ。デザイナー側から見れば、スターの関連でメディアに名前が出たり、セレブが自分の服を着てくれたりすれば、売上の倍増につながる。有名な顔には注目が集まるからだ。