デリアズにも手がないわけではなかった。こうした欲望のすべてに対応できることに気づき、逆に実在の店舗を造ってしまったのである。顧客としては、さらに「楽ちん」選択肢がひとつ増えたことになる。郵便、電話、コンピュータに加えて、今度は店でもオーダーできるのだから。お客を操作する方法今日では、服のショッピングは周到に計画された体験だといえる。小売業者は、消費者がみなせっかちであること、それゆえ、店内の混乱が貴重なお金を遠ざけてしまいかねないことを心得ている。そのため、消費者に長くとどまってもらい、より多くのお金を落としてもらえるよう、何百万ドルという資金を注ぎ込んで新戦略を練るのである。偶然の入り込む余地を徹底してなくすよう、ショッピング体験の隅々に至るまで、本社の重役たちがブレーンストーミングを重ねて熟考する。自分の意志で見て回っているつもりの買い物客も、実は操られているわけだ。