6月の末から連日の猛暑で、朝9時には気温は30℃に達しました。そんななかで、今度は断熱材の外側にアスファルト状の厚い防水シートを張る作業が始まりました。土に埋まる部分です。シートがすき間なく丁寧に張られていきます。底の土の部分には砂利が敷かれ、太い排水管の上半分に穴が開いたような集水管が、勾配をつけて建物のまわりにぐるりと取りつけられました。大雨のときなどは集水管にたまった雨水を、地中に設置されたポンプで吐き出すのだそうです。個人住宅の地下室でここまで万全を期すのはめずらしいということでした。しかしこの集水管の工事のとき、またもや私の不安の虫が頭を持ち上げました。というのは、現場に行くといつもいるはずの監督さんがいないのです。職人さんが3人でいて、1人は以前から上を堀り、防水シートを張ってくれていた人でしたが、あとの2人は見覚えのない人たちでした。たずねると監督さんは用事があって会社に戻ったといいます。作業を見ていると、集水管の穴の中に上が入り込まないように上除けのビニールシートを巻いて、その上から上をかけるのですが、それを徹底してやってくれているのか不安になってきました。顔見知りの無口な職人さんが、ほかの2人にあれこれ指示をしているのですが、見えないところでの2人の仕事ぶりがわかりません。上をかけたら見えなくなってしまう部分の作業です。もし、小さな穴から少しずつ上が入り込んだら、地中に置いてあるポンプの寿命を縮めることにもなりかねません。それが何となく調子が悪いということにつながるかもしれません。そう思った私は申し訳ありませんでしたが、会社に連絡を入れ、監督さんに現場に戻ってきてもらいました。ただし、監督さんには、「もっと職人たちを信頼してください」といわれました。また、ポンプは土の中に設置するといっても、太い空洞の円筒の中に設置するため、そのフタを開けさえすれば、いつでも点検や修理ができるようになっていました。でも、信頼して任せてよい職人さんと、今回のように見ていないと心配な職人さんがいるのも事実です。しかも、土に埋もれてしまう部分は、あとで確かめることはできないのです。実際、そのときの職人さんは某建設会社関連の職人さんではなく、下請けの職人さんだったのです。監督さんには会社と現場を2往復もさせてご迷惑をおかけしましたが、戻ってきていただいたおかげで、私はあの集水管の工事は完璧だという安心感が得られたのです。以後、私は工事中は友人からの誘いも断り、外出しないことに決めました。