人間の顔に彫った木製のお面のようなものですが、口は鼻まで裂けていて、耳は形の崩れた老人の不気味な顔だったのです。どうしてこのような気持ちの悪いものをくれるのだろうと思いましたが、よく考えてみれば、口が鼻まで裂けているのは唇裂という病気で、耳の奇形は私たちが時々見掛ける先天性の病気です。その2つの病気を持った人が治療を受けずに年をとったらこういうことになるという顔です。現在日本ではこのような人にお目にかかることはありません。唇裂は生まれて間もないころに裂けた唇を縫合する手術をしてきれいにしてしまいます。また耳の奇形も多くは小学校に入る前くらいに治してしまうことがほとんどです。この記念品をもらったときもしこのような顔で産まれた子供が、自分の子供だったらということを考えました。実際に生まれたときに口が裂けていたり指がなかったりしたらお母さんやお父さんはどれほどショックを受けるでしょう。記念品ならふたを閉めてしまえばそれでいいかも知れませんが、自分の子供だったらこれほどつらいことはないと思います。私自身もこのような治療を行ってきましたが、その中で御両親がその子が原因で離婚したり、御両親が行方不明となっておばあさんに育てられている子供など何人も気の毒なケースを知っています。しかし美容外科手術でこのような状態はほとんどの場合きれいになるのです。そして私たちはそのような患者さんたちを自分の子供だったらというつもりで本当にきれいに手術で仕上げるために豊富な知識と優れた手術テクニックを求めて努力しなければいけないと思うのです。そのようなことを考えるようになってそのプレゼントは私の部屋にしっかり毎日勉強しろよという自分への見張りとして大切に置いています。