平成七(一九九五)年度に年商九〇億円の規模だった某グループは、平成八年度一二五億円と一〇〇億円台を大きくクリアする。これは注目していいだろう。平成七〜八年というのは、不動産、建設業界にとって大きな曲がり角だった。平成二年末、突然のバブル経済崩壊で、それまでの局面がガラリと変わるのだが、実際にこの業界に不況風が吹くまでに四〜五年を要している。というのも、突発的事態に政府は、土木を中心とした公共投資を連発し、景気立て直しに躍起となっていたからだ。したがって、不動産、建設業界が現実的な意味で不況の風に直面しはじめるのは平成七、八年ごろのことだ。しかし、某グループはこの時期、業績を飛躍的に伸ばしている。工地資産の活用を主たる業務としていても、バブルの背景を負っていないことの表れだ。得意の逆張りが利いている。「みんなが、「こんなのをやっても儲からないよ」というところにビジネスチャンスがあるのです。まあ、視点とか感覚の問題ですよ。風だっていろいろな方向から吹きますからね。横から吹くのか正面からか、そういうことを感じられないと駄目ですね。たとえば、地下鉄に乗ると、むかしは目的の駅の乗降口など明示されていませんでしたが、いまはどの車両に乗れば出口、乗り換えに一番便利か教えてくれているでしょう。あれだって商売の一つですからね。ビジネスチャンスはそこら中にあるのです。それに反応するためには、ニュースに敏感であったり、異業種の人と話すチャンスをつくったりするなど、常にアンテナの精度をよくしておかなければいけませんね」(専門家)
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